ありがとう、と言ってローザは店主に金額分を渡すと、その菓子をぺろりとなめる。
「うーん、甘ーい!これは素敵ね、ねセシル」
「あ、ああ。そうだね・・・すごく、美味しい」
幸せそうに一口一口を食べる姿を見て、カインは満足していた。
「カイン、そうだ、これ・・・」
はい、と言ってセシルはさきほどカインが代わりにだした金額分を渡そうとする。
「いや、要らない。俺が買ったのものをお前にやっただけだ」
「でも・・・!」
「あら、いいじゃないセシル。こういうときは、おごって貰わなきゃ」
ふふ、とローザはセシルに微笑みかける。
「そうかな・・」
そう、だよね。とひとり納得して、セシルはそのワタガシをさらに頬張る。
それから先、少し歩いた先でローザが
「友人が居たから、ちょっと話して来るわ」
と、笑顔でその場を駆けていった。
クリーム色の髪とユカタ姿は、徐々に小さくなって人ごみに紛れた。
「なあ、カイン。これからどうする?」
セシルがる、の音を発する前に、上空にドーンと大きな音がした。
「セシル、空を見てみろ」
空には、色とりどりの輝きが花のように浮かんでいる。
「わ、すごい・・・!」
ひゅるるる、と音を立てながら小さな火が飛び、花が開く。
何発も、何発も空に打ち上げられる大輪の花にセシル達は見入っていた。
「ローザも見てるのかな」
「ああ、きっと見入っているだろう」
ひゅるる、どん、ぱらぱらぱら・・・瞬きをすればすぐに散る花火に
儚さを覚えながら、上空を見ている。
「美しいね・・って、あれ・・カイン?」
空を見上げながら、隣にいるはずの人物に声をかけると
そこに彼はいなかった。
どこへ行ったのだろう、そう思い周囲を見渡していると、不意に肩を叩かれた。
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