一番暑い時期がやってきた。日は早く昇り、月は遅く沈む。
                  そんな暑い時期に、異国との交流を行うと、バロン王は告げた。
                  「この暑い時期に・・よくやるな」
                  暑苦しそうな兜を脱ぐと、そこからは白銀の髪が現れた。
                  「向こうの国の一番盛り上がる催しをこちらで開くんですって」
                  ウェーブしたクリーム色の髪がふわりと風に揺れた。


                  「しかし警備の話など聞いていないが…」
                  風になびく金色の髪、そしてよく映えたレッドのピアス。
                  その男が、ドアを開けて入ってきた。
                  「悪い、ローザ、セシル。邪魔をしたか?」
                  「へっ!?」
                  「フッ、すまん。冗談だ」


                  ローザはふふ、と笑うと話を続ける。
                  「白魔道士も、何も聞いていないのよ。
                  普段なら看護にまわれってうるさいくらいなのに」
                  「直属の僕ですら何もきいてないなんて変だしなぁ」
                  暗黒騎士は目立つ、裏方で見張りをしろと散々言われたのに、とセシルは言う。
                  憂いを持った瞳は、濃紺だった。


                  その次の日、バロン王はその三人を呼び出した。
                  「お前たち三人に特別な仕事を与える」
                  厳粛な雰囲気がその場を支配する。
                  「祭りをめいっぱい、楽しんでくるように」
                  あくまでも、彼はそう真剣な顔つきで告げた。


                  「どおりで部下が黙っていた訳か…」
                  なるほどな、とカインはうなずく。
                  王室からの帰り道で、三人は手荷物を持ちながら話していた。
                  「でも、これは…?」
                  それぞれの手にあったのは、薄い生地で作られた通気性のよさそうな服。
                  「ユカタ、って言うんですって。向こうの国の暑い時期の祭りにこれを着るそうよ」
                  白地に飾られた花模様のユカタを手に持ったローザがそう言う。




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