団長さまは言いだした。


                  「罰ゲームはこれね!」 
                  そう言って得意そうな満面の笑みで見せ付けたのは
                  白にちかいうすピンク色のうさぎみみだった。


                  そして今現在、そのうさぎみみは古泉一樹がつけている。


                  「おや、負けてしまいましたか・・」 
                  「長門か朝比奈さんなら似合っただろうにな」 
                  「古泉君、ハイ!これ」 
                  有無をいわせぬ団長さまは、古泉にうさみみを渡した。


                  「キョン、つけるの手伝ってあげなさい」 
                  「はいはい」 
                  やれやれ、と古泉がつけにくそうにしているうさぎみみを
                  貸せ、と奪いとって頭に装着してやった。
                  罰ゲームは、今日一日これをつけっぱなしで活動をすること、だそうだ。


                  「どう、でしょうか」 
                  恥ずかしそうに古泉一樹はうさぎみみを触りながらそう訊ねた。
                  思いのほか、似合っていた。
                  「あら、カワイイわよ!古泉君」 
                  「・・・良好」 
                  「ほんと、とってもかわいらしいです」 
                  女性陣の賞賛のことばに、古泉は相変わらずのテレた笑みだ。


                  「まあ、いいんじゃないか?」 
                  一応俺もそれにのっとって、賞賛の言葉をおくっておく。
                  「・・そう、ですか」 
                  思いのほか、古泉は照れた。
                  頬をすこしばかり、赤く染めた。
                  まるでウサギのようで、ふわふわとしている。


                  「ああ、可愛いと思うぞ」 
                  「えっ」 
                  驚いた。そんな言葉を言われた当人よりも自分に、だ。
                  「あ、ああ。校内の女子が、そう思うんじゃないか」
                  あわててフォローを付け加えてもまだ、古泉の頬は赤かった。


                  「そ、そうですよね。すみません」 
                  何がすみませんなのか、と問い詰める気も起きずに
                  ぼんやりと土曜日、どこかに誘うおうかなどと考えていた。


                  夕暮れの部室で。