エアコンのない部室には
                  扇風機の風と窓から入る生暖かな風の二つだけだった。

                  ハルヒは長門と朝比奈さんを連れて
                  どこからか扇風機をもう一台かっぱらってくるつもりらしい。

                  緑茶に入っていた、溶けかけの氷がカランと音を立てた。

                  せみの声が嫌でも聞える。
                  七月の部室だった。

                  緑茶の入ったガラス製の茶飲みには水滴が出来始めている。

                  「なあ」

                  「なんです?」

                  お前の嫌なほど白い肌には汗が見えない。

                  「お前は人間か?」

                  ロボットと答えても、今の俺なら信じてやらんことはない。

                  「当たり前じゃないですか。まあ、多少・・特殊ですが」
                  「そうだったな」
                  どうにも憎たらしくなって、顔を引き寄せ口づけてやった。

                  ハルヒはどうせ当分戻らないのだろう。

                  「貴方もお好きですね」

                  苦笑する古泉の頬がすこし朱に染まっていたのを見て
                  俺は満足していた。