夕暮れのキレイな日に
                  初めてのキスの味を覚えた。


                  息をどうすればいいかわからなくて。
                  長いキスの後に酸欠状態の金魚みたいになってしまった。


                  「すき、だ。やっぱり、君が好き」
                  きっと顔中が赤色で染まっていた。
                  夕焼けで隠れてるといいけれど。
                  「あ、ああ、俺も・・」


                  ふたりして頬を染めて。


                  帰り道は目をあわせられなくて、手を繋いで帰った。
                  「じゃ、あ・・また、明日」
                  「あ。・・うん」
                  少しはにかんで笑うと、彼も笑い返してくれた。


                  彼の笑顔が、まぶしくて、どきどきした。
                  それから、じゃあ、と言って別れたけれど
                  胸の中にまだ別れたくない、そんな気持ちがした。


                  「あっ・・カイン・・」


                  小さな声で呟いた。
                  彼に届くはずないと、自嘲して。
                  「泊まってく、か?」
                  振り向いた彼が、そう言う。


                  恥ずかしくなって真っ赤に染まった顔で
                  こくりとうなずいた。


                  冬の夕暮れに、長い影法師が出来た。
                  二人分の影法師。