「さっきの料理、なかなか美味かったぞ」


                  木陰で休んでいたセシルに、カインが話しかけてきた。
                  「そんなことないよ。簡単にできるやつをつくっただけだし・・」
                  ほんとに、そんな料理なんて得意じゃないしとセシルは謙遜する。


                  「あとは香辛料とハーブをもう少し入れたら、完璧だな」
                  いや、ハーブはいいか・・などとぶつぶつ呟くカイン。
                  それを見て、セシルはくすくすと笑いだす。


                  「ん、どうした?」
                  「いや、案外カインって・・っはは、ふ、あはは」
                  可笑しそうに笑うセシルに
                  カインは納得いかなさげな顔をしている。


                  「なんなんだ?」
                  「ううん、なんでもないんだ。そうだ!今度ぼくに料理を作ってくれよ」


                  うん、いいアイディア。とひとりで頷くセシルに
                  呆れがちにカインは了承する。


                  「・・ただし、ちゃんとお礼はしてもらうぞ」
                  お礼?と首を傾げるセシルに、カインは答える。


                  「此処じゃ言えない様なこと、だな」
                  意味ありげな発言に、顔を赤らめるセシル。


                  「っ!」
                  「なんてな、冗談だ」
                  「じょ、冗談でも言っていいことと悪いことが・・!」
                  「じゃあ本気だと言ったら?」
                  真面目にな顔つきになって、カインはセシルの瞳を覗き込む。
                  ブルーグリーンの目に覗き込まれ、セシルはたじたじとなる。


                  「・・・っ!バカインっ!」
                  真っ赤に染まった顔を隠そうとして、セシルは走りだす。


                  それを見たカインは満足そうに笑うと
                  何の料理を作ってやろうかと考えながら
                  セシルの後を追っていく。


                  それはある暖かな午後の話。






                  セシルに「バカイン!」て言わせたかった